開発者エクスペリエンスを高めるGcoreの低遅延エッジコンピューティングソリューション「FastEdge」のご紹介

開発者エクスペリエンスを高めるGcoreの低遅延エッジコンピューティングソリューション「FastEdge」のご紹介

弊社のグローバルエッジネットワーク上で動作し、サーバーレスのアプリとスクリプト向けに並外れたパフォーマンスを提供する軽量エッジコンピューティングソリューション「FastEdge」を発表します。 FastEdgeは計算能力をエンドユーザーにより近い場所で提供することで開発者にメリットをもたらします。 本日より、FastEdgeの早期ベータ版を無料でご利用いただけます。 この記事では弊社がFastEdgeを作成した理由、そこに組み込まれている基本的なテクノロジー、およびそれがユーザーエクスペリエンスの向上と開発業務の負荷軽減にどのように役立つかを説明します。

FastEdgeを作成した理由

個別化されたフィードをすべてのユーザーに提供するニュース配信サイト、ユーザーの好みや閲覧履歴に基づいて精選された製品群を提示するeコマースプラットフォーム、またはリアルタイムの透かし追加などの高度な画像操作を思い浮かべてください。 個別化された動的なウェブコンテンツに対する需要の伸びは、従来のコンテンツ配信方法のペースを上回っています。 そのため、エンドユーザーに近い場所で計算を処理し、動的コンテンツ配信を高速化して遅延を回避する、より高度なネットワークソリューションが必要とされています。

コンテンツ配信ネットワーク(CDN)はインターネットインフラストラクチャに不可欠なものになりました。高速なウェブの利用に慣れた私たちはそれが当たり前だと思うようになり、単に速いだけでなく、高度に個別化され、生成AIのような新興テクノロジーを組み込んだウェブへの期待が徐々に高まっています。

従来型のCDNは静的コンテンツ配信には有効であるものの、動的コンテンツの処理には難があることもしばしばです。 従来型のCDNではエッジでのリアルタイムな処理と計算が不可能であるため、動的な処理をオリジンサーバーで行わざるを得ず、応答時間が増加します。

このような能力の不足により、高度なエッジコンピューティングソリューションの必要性が明確になっています。エッジコンピューティングソリューションはユーザーにより近い場所で計算を行うことで動的コンテンツ配信の効率と応答性を大幅に向上させ、従来型のCDNにあった不足を補います。 では、FastEdgeの話題に入りましょう。

FastEdge: WebAssemblyとサーバーレスの融合

FastEdgeはサーバーレスコンピューティングとWebAssembly(Wasm)の能力を利用し、GcoreのグローバルCDNソリューション上で効率的にコードを実行するエッジコンピューティングソリューションです。 FastEdgeはこれらのテクノロジーとGcoreのエッジネットワークインフラストラクチャを統合することで、ユーザーのリクエストから応答までの時間を大幅に短縮し、各コンポーネント固有のメリットを活用します。

サーバーレスコンピューティング

FastEdgeはGcoreが独自に開発したサーバーレスコンピューティングです。 クラウドプロバイダーである弊社がFastEdgeユーザーのためにマシンリソースを動的に割り当て、サーバーの運用を管理します。 このモデルには複数の重要なメリットがあります。

  • 開発およびデプロイ速度の向上: サーバーレスコンピューティングにより、開発者はグローバルネットワークにコードを迅速にプッシュして実行できます。 そのため、市場に出すまでの時間が大幅に短縮され、ウェブアプリとサービスの開発におけるイノベーションが促進されます。
  • サーバーのプロビジョニングが不要: サーバーレスコンピューティングでは、サーバーのプロビジョニングや管理は不要です。 FastEdgeがインフラストラクチャを効率よく処理するため、開発者は自身のアプリケーションのみに注力できます。 この変化により、複雑なバックエンド管理を行うことなく創造とイノベーションにより集中できるようになります。
  • イベントベースの価格設定: サーバーレスコンピューティングでは多くの場合、イベントベースの価格設定モデルが採用されています。 この価格設定モデルは効率的なスケーリングと予算管理を求める企業には特にメリットがあります。コストと実際の使用状況が直接結びつくFastEdgeには高い費用対効果があります (現時点のFastEdgeは早期ベータ版であるため、無料です)。

WebAssembly

FastEdgeの中心をなすのはWebAssemblyランタイムです。 WebAssembly(Wasm)は実行可能プログラム向けに設計されたバイナリの命令形式です。 そのようなプログラムとホスト環境との対話を可能にするソフトウェアインターフェースを提供します。 Wasmは元々はクライアントサイドのブラウザー内で計算することを想定して開発されていたもので、クラウド環境のコード実行にうまく適応します。

Wasmは現在も進化中の比較的新しいテクノロジーであるために若干の制限があるものの、いくつかのメリットがあります。

  • 言語の柔軟性: Wasmは一般的なプログラミング言語からコンパイルされるため、FastEdgeではJavaScriptとRustを使用できます。Goもまもなくサポートされる予定です。 ウェブ環境にも非ウェブ環境にも移植可能な命令形式であり、計算負荷の高いタスクの実行に適しています。
  • 高速なコールドスタート: FastEdgeはWasmのネイティブに近いパフォーマンスを活用し、わずか0.5 msという超高速なコールドスタートを実現します。
  • セキュリティ: Wasmランタイムのアプリケーションはサンドボックス環境内で実行されます。 このような環境の切り離しによって整合性を確保し、環境を共有するリスクを減らすことは、マルチテナント型のエッジインフラストラクチャにメリットがあります。 FastEdgeはこのようにセキュリティを強化し、機密性の高い運用を可能にします。
  • パフォーマンス: Wasmのコードはプリコンパイルされているため、解析する必要はありません。そのため、ネイティブのパフォーマンスに近い実行速度が得られます。 そのコンパクトなモジュール群は非常に効率が高いため、FastEdgeはリソースに制限がある可能性のあるエッジ環境に特に適しています。

グローバルエッジネットワーク

FastEdgeは世界中に展開されたGcoreのエッジネットワークをインフラストラクチャとして活用し、ユーザーエクスペリエンスとシステムの効率を大幅に向上させます。

  • クラウドネイティブのスケーラビリティ: Gcoreのネットワークを使用するFastEdgeは需要に応じてシームレスにスケールアップ・ダウンが可能です。このようなスケーラビリティは、さまざまなユーザートラフィックを処理する動的なアプリケーションには不可欠です。
  • 低遅延: Gcoreのグローバルネットワークではよりユーザーに近い場所にサーバーを配置しているため、遅延が最小化されます。 このように距離を縮めることで、個々のニーズに合うようなスムーズで応答性の高い使用感を実現しています。
  • 効率的なデプロイ: ネットワークのアーキテクチャが堅牢であるため、複数のエッジロケーションにわたってコードを容易にデプロイ可能です。そのため、遅延を最小化してリソースの使用を最適化できます。
  • 信頼性の向上: 現時点で160箇所以上の接続ポイントを有するGcoreのネットワークは絶え間なく拡張し続けており、さらなる遅延低下を実現し、あらゆるユーザーの接続性を場所を問わずに向上させます。

FastEdgeは複数の手法とそのベースとなるテクノロジーのメリットを兼ね備えています。 これによって開発者、ユーザー、およびエッジコンピューティングテクノロジー間の連携が大幅に向上し、Gcoreのエッジネットワーク上でWasmとサーバーレスコンピューティングを組み合わせることの強みが明確になっています。

FastEdgeの使用方法

FastEdgeの使い方は単純明快です。

  1. コードのアップロード: FastEdge APIを使用してコードをプラットフォームにアップロードします。 近い将来にカスタマーポータルのGUI、CLI、およびGitHubからFastEdgeを利用できるようにする予定です。
  2. アプリケーションのデプロイ: FastEdgeプラットフォームにアプリをプッシュします。 その後、アプリは自動的にGcoreのグローバルなエッジサーバーネットワーク全体にデプロイされます。
  3. トラフィック管理: FastEdgeはその広大なネットワーク全域でネイティブにルーティングを行い、ユーザートラフィックの負荷を分散します。 最適なパフォーマンスと信頼性を得るため、リクエストは利用可能な最寄りのエッジノードで処理されます。
  4. コード実行: ユーザーのリクエストがFastEdgeネットワークに到達すると、ランタイムがコードを実行してHTTP応答をユーザーに送信します。

FastEdgeはHTTPリクエスト/応答の変更あり、なしの2つのオプションで使用できます。

HTTP応答/リクエストの変更なしでFastEdgeを使用する

HTTPリクエストの変更なしでFastEdgeを使用する場合、機能をエッジサーバー上で直接実行することになります。この場合はHTTPリクエストがアプリケーションのウェブサーバーではなくエッジネットワークサーバーによって処理されるため、速度とスケーラビリティが向上します。 エッジサーバーは基本的にはオリジンサーバーと同様に機能しますが、エンドユーザーにより近い場所で計算を実行します。

FastEdgeはFastEdgeサーバー上で直接計算を行うために使用できます

この種の実装でよくあるユースケースは以下の通りです。

  • 迅速な認証: ユーザーのアクセス効率を上げるため、同一エッジでセキュアトークンを素早く検証してアプリケーションのセキュリティを強化する。
  • AI推論: 応答性の高いインテリジェントなAIアプリケーションを実現するため、エッジサーバー上で軽量のAIモデルを運用する。
  • URLの書き換えとリダイレクト: エッジ上でウェブサイトのトラフィックを管理し、ラウンドトリップタイムを減らす。

HTTP応答/リクエストの変更ありでFastEdgeを使用する

HTTPリクエストの変更ありでFastEdgeを使用すると、外部リクエストの管理と変更が可能になります。 この方法ではFastEdgeノードがプロキシとして動作し、関連するウェブサーバー、API、またはデータベースへのリクエストの転送または変更を行います。 FastEdgeは応答を受信し、機能ロジックに応じて必要な変更を適用し、それをエンドユーザーに配信します。

FastEdgeはユーザーに送信する前のリクエストを動的に変更するのに使用できます

FastEdgeはHTTPリクエストを変更できるため、多数のエッジコンピューティングアプリケーションに使用できる万能ツールです。 この場合によくあるユースケースは以下の通りです。

  • 個別化: 位置情報、デバイスの種類、またはサインインの状態など、ユーザーの好みに合わせてウェブページのコンテンツや通知を調整し、より満足できる使い心地を実現する。
  • A/Bテストの実施: リアルタイムで最適化を行うため、エッジでウェブサイトのトラフィックを関して効率よくページテストの実施と実装を行う。
  • 高度な画像編集: フォーマット変換や見た目の調整など、CDNの能力を超える画像変換に対応するために独自アルゴリズムを使用する。

比較: Wasmランタイムと従来型のFaaS

弊社は2つの異なるサーバーレスコンピューティング製品を提供しています。1つはWasmランタイムを搭載したFastEdge、もう1つはLinuxコンテナーをベースとするGcoreのサービスとしての機能(FaaS)です。 FastEdgeはFaaSはそれぞれに固有の長所と短所があり、それぞれが異なる実装シナリオに適しています。

機能FastEdgeサービスとしての機能(FaaS)
主な用途フロントエンドウェブアプリケーションの最適化バックエンド機能
実行場所160箇所以上25箇所以上
エンジンWebAssembly (Wasm) ランタイムLinuxコンテナー
サポート対象言語Rust、JavaScript (Goも対象となる予定、現在開発中)Node.js、Python、Go、.NET、Java
負荷分散ネイティブ、CDNベース単一リージョン内の複数のポッドを使用して負荷分散
最大メモリ100 MB1028 MB以上
ファイルシステムアクセス*非対応対応**
ネットワークアクセス制限あり、HTTPリクエストのみ対応
リソースのプロビジョニング不要自動スケーリング

* セキュリティと分散コンピューティングの効率を上げるため、FastEdgeとFaaSのどちらも状態を保持しないステートレスアーキテクチャ対応の設計になっています。 すべてのメモリ内またはローカル(FaaSの場合)データは一時的なものであり、機能の実行が完了した時点で削除されます。

** FaaSは機能の実行を切り離すため、オブジェクトストレージやネットワークファイルシステムのような仕組みを通して安全かつ一時的なファイルアクセスを許可しています。

FastEdgeは低遅延で比較的アプリのサイズが小さいため、フロントエンドアプリケーションに適しています。 迅速な配信タスクのほか、軽量なAI推論やリアルタイムの画像操作などの計算処理が得意です。

その一方、FaaSは複雑なバックエンドタスクにより適しています。 より大きなパッケージをサポートしており、ファイルシステムとネットワークへのアクセスを提供するため、動画のトランスコーディングや複雑なビジネスロジックの計算などの大量の計算リソースと統合を必要とするジョブのほうが適しています。

FastEdgeベータプログラムに参加する

FastEdgeが現在早期ベータ段階にあるため、この刺激的な取り組みにご参加いただける方を募集しています。 ベータプログラムに参加するには、Gcoreに登録してFastEdge APIキーを生成してください。すぐにFastEdgeアプリの作成に着手できます。

ベータ期間はFastEdgeを完全に無料でご利用いただけます。 資金を支出することなくその能力を探り、どのように自社製品に役立つかを確認できる絶好の機会です。

FastEdgeを使用したご感想をお聞かせください。 皆様のフィードバックとユースケースは、この革新的なプラットフォームの未来を形成する上で重要な役割を果たします。

注意: この早期ベータ段階のFastEdgeは実験・開発の目的のみに適しています。 ベータ段階が終了するまでは、ミッションクリティカルなタスクや本番環境への使用は推奨しません。 また、ベータ期間のFastEdgeには 一定の制限制限があることにご留意ください。

まとめ

FastEdgeはエッジコンピューティングにおける画期的な進歩の賜物であり、唯一無二の速度、効率、および柔軟性を提供します。 WebAssemblyとサーバーレスコンピューティングの能力をGcoreの広大なグローバルネットワークに組み込むことで、FastEdgeは開発者による動的コンテンツと複雑な計算タスクの処理方法に変革をもたらし、かつてないほどにエンドユーザーに近い場所でそれを実現しようとしています。

この早期ベータ段階はFastEdgeの眠っている潜在能力を探るための入口に過ぎません。 FastEdgeは迅速なコンテンツの個別化、AIを活用したソリューション、または効率的なコンテンツ配信の足場となる堅牢なプラットフォームを提供します。 ぜひベータプログラムに参加してその能力を試し、有益なフィードバックによってその進化にご協力ください。

今すぐアカウントを作成してFastEdgeベータプログラムにご参加ください!

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